愚痴と悪口は似ているようで全然違う(と思う)。

例えば、
「あいつ馬鹿だしわがままだしほんっと最低」
という言葉をAさんが言ったとする。
この「あいつ」がAさんの恋人の事を指しているのであれば、
これは愚痴だ。
しかし、「あいつ」がAさんの同僚の話であれば悪口になる。

この場合の決定的な違いは、Aさんの言葉に愛情が含まれているかどうかだろう。
愛情から出てしまう悪口は愚痴になる。
愚痴は聞いていてもさほど不快には感じないが、悪口は聞く側を不快にさせるものだ。

別の例も考えてみよう。
「あいつ仕事も出来ない癖に偉そうにしやがって、死ねばいいのに」
とBさんが言ったとする。
この場合の「あいつ」とは会社の先輩を指している。
このケースで重要なのは、この言葉を聞いている人間だ。
聞いているのが「あいつ」とは面識のない人間であれば、これはBさんの愚痴だ。
だが、「あいつ」を知っているBさんの同僚が聞いていたとすれば、これは悪口だ。
さらにこの場合、Bさんの同僚Cさんの立場によって、悪口の意味が変わってくる。
Cさんも「あいつ」に不満を感じているのであれば、CさんはBさんの話に賛同して、「あいつ」の悪口を言い合えるだろう。
そうすることで2人ともストレスを解消して、また次の日から気持ちよく仕事に行けるかもしれない。
最悪なのは、Cさんが「あいつ」に特に不満を感じていない、もしくは好感を持っている場合だ。
Cさんにとって、Bさんの「あいつ」への『悪口』は不快以外の何物でもないだろう。
Bさんはその場では「あいつ」への悪口を言ってすっきりしたかもしれないが、Cさんからの評価は確実に下がっている。
「ひとの悪口を言う人間」として見られるようになってしまう。
Cさんが「もしかすると違う場所では自分の悪口も言っているのではないだろうか」と思うことすら考えられる。
これではストレス解消というメリットよりも、デメリットのほうが多くなってしまう。

結論としては、他人への不満を口に出したければ、相手・場所をよく考えること。
聞く側は、愚痴であれば相手のストレス解消に付き合ってあげる心の余裕を持って、軽く聞き流してあげる。悪口と判断した場合、言っている相手の評価を下げないためにも止めてあげることが大切ではないだろうか。

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以上、自分への戒めの意味もこめての考察。

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